【感想】三浦しをん「神去なあなあ夜話」今回も田舎事情に笑い合い涙あり。きっとあなたも自然を好きになる




朝木です。書いているうちに夜になりました。こんばんは。三浦しをん先生の

「神去なあなあ夜話」

読了いたしました。

あらすじ

三重県の山奥、神去村に放りこまれて一年が経った。最初はいやでたまらなかった田舎暮らしにも慣れ、いつのまにか林業にも夢中になっちゃった平野勇気、二十歳。村の起源にまつわる言い伝えや、村人たちの生活、かつて起こった事件、そしてそして、気になる直紀さんとの恋の行方などを、勇気がぐいぐい書き綴る。人気作『神去なあなあ日常』の後日譚。みんなたち、待たせたな!

裏表紙より抜粋

【感想】三浦しをん「神去なあなあ日常」林業は面白い。そして自然は美しい。

2017年5月18日

前作である「神去なあなあ日常」こちらもどうぞ。

感想

第一夜 神去村の起源

神去村に伝わる昔話。なんと神話じみた内容であろうか・・・そしてそれを語る繁ばあちゃんの族長っぷり・・・(ただの婆さんだと思ってました)。その昔話を聞いて神様も恋愛するんだなあ。ほろ苦いなあ。甘酸っぱいなあ。と感じ、現実味のない昔話のはずなのに、いつの間にか共感していました。恋愛において「永遠」と言うのは存在しない。それでも幸せをかみしめることはできる、一緒にいるひと時を大切にすることが重要なのだと。そのように神去村の神様や繁ばあちゃんに諭されたような気もします。

第二夜 神去村の恋愛事情

勇気と直紀さんが喧嘩!ではないと思うんですけどね・・・それについてのお話とヨキとみきさんの馴れ初めのお話。勇気のちっぽけなプライド!男なら誰だって好きな女性の前では格好良くありたいはずです。なのに好きな女性に面と向かって「ちっちゃいで、あんた。」なんて言われると悔しいに決まってるじゃないですか。嫉妬と卑屈が交わって、そこを突っ込まれたようです。男なら自信をもって「どんっ!」と構えて待っていろということですね。(次からは腕組んで仁王立ちして玄関で待ってやりましょう)

※実行される方は自己責任でお願いします。

ヨキとみきさんの馴れ初めのお話。ほほを赤らめながらこの話をするみきさん乙女です。女の子女の子してます。前作である「神去なあなあ日常」でもヨキの夜遊びに嫉妬して実家に帰るくらい、ヨキのこと好いているので恋する女性で間違いないのですが。これが田舎の恋愛のルールなのか!?恋愛も勢いで進んでいるような気もしました・・・だけど小さいころからずっと一緒で、これから先もずっとそばで寄り添いたい。普通に大恋愛なんですよね・・・若者が周りにいないから必然的にそうなるだけなんじゃ!?みきさんは「そんな訳あるかいな」と否定していましたが。

第三夜 神去村のおやかたさん

主に先代の親方さんについてお話は展開されていたんですが。私の印象に残っているのは勇気と直紀さんのドライブデートです!軽トラに2人で夕日を見ながら・・・都会じゃお目にかかれないですね、むしろ「軽トラ!?ベンツの間違いでしょ!?」とか言われそう。「田舎ではこれがベンツだ」とか言ってみたいです。ですが考えてみると田舎のデートって何するんでしょうね。お昼ご飯作ってピクニックとか、田植えとかでしょうか。田舎の恋愛事情気になります・・・そして次がいよいよヨキや清一の両親のお話。なぜヨキたちは両親の話を避けたがるのか。勇気は神去村のファンタジー面(良い面)だけでなく、村人たちの悲しみや苦しみも知って真の意味で神去村の一員になりたいと思ったのだ。

第四夜 神去村の事故、遭難

神去村で起きた

最悪な事故

(事故が起きた場所は神去村の外なのですが)この事故にヨキや清一の両親が関わってきます。どういった事故だったのか、ここではお話ししません。ただ言えることは、ヨキは小学校の頃に清一は高校の時に両親を亡くしているということ。壮絶だったでしょう。本当に。生きていくことに絶望もしたでしょう。ヨキは本書の中でこうも言っていました。「なんで、俺は、笑顔のひとつも見せんと、二人をいかせてしもうたんか。」どんなに強い精神を、心を持っていようと誰だって同じように後悔するはずです。私ならずっと塞ぎ込むかもしれません。大切な者を失いたくないがために、大切な者ができることを拒むかもしれません。そんな時に大切なのが窮地をどう乗り越えるか。清一の兄貴肌や親分肌といった部分から垣間見えるカリスマ性には敬意を表します。そのような清一を見て、一緒に窮地を乗り越えてきたヨキにも「生き抜く力」が存分に表れていたかと思います。このお話では二人のもつ「人間性」という部分魅力が最大限に描かれていました。

第五夜 神去村の失せもの探し

お稲荷様のお力・・・感服いたしました!神去村では失せ物を見つけたいとき、お稲荷様にお願いするとか。昔話感・ファンタジー観全開ですね。神様は空にいるのではなく、信仰する人の心の中にいて、いつも見ていてくれている。この言葉通りなのでしょう。人は都合のいい時だけ神様に頼りがち。常日頃から神様への感謝の気持ちを忘れない神去村の人たちだからこそ、お稲荷様も力になってくれたのだと。そして勇気と直紀さんの恋愛事情にもついつい笑みをこぼしてしまいます。なんだか中高生のぎこちない恋愛を応援している気分。どちらもまだまだ子供だなあって感じでどこまでも甘酸っぱい・・・そこに味が出ているのでしょう。読んでて楽しいんですよ!

第六夜 神去村のクリスマス

神去村の人たちの優しさが溢れていました。協力し合い支え合い少年の夢を叶える村人たち。私自身が純粋にこの村の人たちのこと好きなんだなあって実感します。どこかぎこちないお手製クリスマスツリー。

どこのクリスマスにも負けないくらい、幸せのこもった飾り付けが施してありました。

第七夜 神去村はいつもなあなあ

冒頭部分から普通に笑いました。

え!?急展開過ぎない!?

勇気と直紀さんが・・・(これ以上は言えません)と思いきや、一本取られました。前々から伏線は張り巡らされていたのでいつか来るとは思っていましたが。村人の中で繁ばあちゃんが一番好きかもしれない・・・勇気は神去村での生活を通して大きく成長していました。「神去なあなあ日常」の勇気とは大違いです。何も持っていない高校生に人としての魅力が現れてきています。これも全て山と神去村の人たちのおかげなのでしょう。

最後に

読後は爽快感を伴う感動で一杯になりました。既に自然をテーマとして扱っている時点で満足感は満たされていたのですが。大きな理由としましては勇気を始めとした神去村の人たちや山の持つ魅力に惹かれたことでしょう。しかし、今回も「林業」という観点にはあまり深く触れられておりません。ですが林業に関わってくるという部分で言えば「山の危険性」というのは大きく語られていました。その点も踏まえ一作目にハマった人は絶対に読むべきです。本書の続編があるのであれば、「わたし、気になります!」特に勇気と直紀さんの恋愛事情が・・・伏線も中途半端にせず、きちんと回収されていたので本当に満足のいく一冊でした。




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