【感想】住野よる「君の膵臓を食べたい」儚い青春群像劇ここに極まる・・・




どうも。朝木です。今回は住野よる先生の

「君の膵臓を食べたい」

読了いたしました。

あらすじ

偶然、僕が病院で拾った1冊の文庫本。タイトルは「共病文庫」。それはクラスメイトである山内桜良が綴っていた、秘密の日記帳だった。そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていて――。病を患う彼女にさえ、平等につきつけられる残酷な現実。【名前のない僕】と【日常のない彼女】が紡ぐ、終わりから始まる物語。

amazonより抜粋

感想

発売当時、書店にてこの本が目に入るや否やタイトルと装画に魅了され即購入いたしました。「君の膵臓を食べたい」どういう意味が込められているんだろう。内臓を食べたいほどに誰かを愛していた・・・少しホラー的な意味が込められているのかなー。などと想像しておりました。・・・が予想とは違いました。まさに「儚い青春ストーリー」ここに極まり。という感じです。

自分らしくいられる場所

どんな苦境に立たされても笑顔を絶やさない彼女の存在に、明日も笑って生きて行こうって背中を押されました。とにかく元気でパワフルな彼女が大好きです。そんな彼女の限られた時間の中で自分らしく振る舞える唯一の場所。それが彼との時間だったのでしょうね。「生きたい」と当たり前のことを強く願う彼女の発する言葉にはどこか無理をしているような感じが拭えませんでした。そんな彼女の言葉を一番近くで聞いていた彼。どのような思いで彼女と向き合っていたのでしょうか。彼女のあどけない笑顔を前に、不器用な彼は自分の気持ちに違和感を覚える。普段の生活なら関わることのない対極の人を偶然が引き合わせました。

彼女の死生観

普段の生活において死生観を見つめながら生活している人がどれほどいるでしょうか。少なからず自分はそれに当てはまりません。死ぬとか生きるとか基本的には当たり前なことで訪れるべき時に訪れる。幸も不幸もその時その場所なんだろうな…ぐらいの感覚です。しかし、彼女は死に直面して「毎日、生きているって思って生きるようになった」と口にしていました。どのような思い出この言葉を口にしたのか、強がりでも嘘でもない心のどこかで塞ぎ込んでしまうようなことはあるけど、毎日が特別に感じていたのではないでしょうか。「なんで私が」「なんでこの時期に」「なんでなんで」口にはしなくとも、心のどこかでこんなことを考えながら。

彼女たちの変化

物語が進むとともに、彼女たちの人間性にも少なからず変化が生じていたと思います。後半は特に言葉一つ一つに深い意味が込められているように感じました。真実と日常をくれるそんな二人の関係が、いつしか変化してしまうのではないか。そしてそれがどのような結末を迎えるのか、想像してみると胸を針で刺されたような痛みが走りました。

特に彼自身が彼女との日常を通して大きく成長していましたね。誰とも打ち解けずにいた彼に突然舞い降りた光。それは人の温もりや冷たさ、喜びや怒り、誰かと一緒に過ごす時間の大切さなど人と関わることで生まれるただ当たり前な事を教えてくれたのだと思います。人と関わる事で得られる気持ち。ただ真っ直ぐに偽らず飾らず本心のまま向き合うことができる二人は本当に幸せだったのでしょう。

そしてタイプ的には真反対な二人。だからこそお互いに惹かれ合う部分があったのでしょうね。「素直に尊敬していた」、本書の中でもそのように語られていました。

最後に

この作品は見るに人によって評価がバラバラですね。感じ方が人それぞれなのは当たり前なのですが、それが顕著に表れていると言いますか。確かに文章自体は稚拙で、感動な場面なはずなのに状況が上手く伝わってこなかったり、現実味がなさすぎたりというのも感じました。しかしそれらを踏まえても私自身はこういった類のお話は大好きなので購入してよかったです。量も多いわけでなく非常にライトな作品なので誰でも読みやすいです。1回目に読んだときはどうしてもオチが気に入らなかったのですが、時間を置いて2回目読んでみると別の観点から発見がありました。ただ甘酸っぱいラブストーリーだけではなく、誰もが持つべき死生観と向き合わせてくれる。そんな風にも感じました。私にとっても「死」は日常と乖離しています。だからと言っていずれ来る「死」を意識し、毎日を特別に過ごすわけにもいきません。ただ心の片隅で「生きているって実感しながら生きていたい」そんな当たり前なことに気づき感謝しながら生きていたい。読後はあなたも命の儚さや大切さを再確認するはずです。

あと読後のイメージからなのですが、装画のイラストもあってアニメ化とかされたら影響力あるんじゃないかな~とか個人的に思います。




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