【感想】住野よる「また、同じ夢を見ていた」あなたの思う幸せとは?ヒントは本書に・・・




こんばんは。朝木です。今回は住野よる先生の

「また、同じ夢を見ていた」

読了いたしました。

あらすじ

「人生とは和風の朝ごはんみたいなものなのよ」小柳奈ノ花は「人生とは~」が口癖のちょっとおませな女の子。ある日、彼女は草むらで一匹の猫に出会う。そしてその出会いは、とても格好いい”アバズレさん”、手首に傷がある”南さん”といった、様々な過去を持つ女性たちとの不思議な出会いに繋がっていき――。大ベストセラー青春小説『君の膵臓をたべたい』の住野よるが贈る、幸せを探す物語。

裏表紙より抜粋

感想

幸せを探す物語。私たちの幸せとは一体何を指すのでしょう。人それぞれ異なりますよね。そんな幸せの探し方あるいは幸せとは・・・?と、この問いの答えを私たちなりに探すヒントをくれる、優しくそっと心を撫でるかのような物語でした。

おませな小学生の独特な語り口調で物語は進んでいきます。そんな小学生の目に映る世界を見るたび、何度も子供の頃に抱いていた心を思い出せました。大人になるにつれ自然と消滅してしまう純粋さや無邪気な笑顔、そんな当たり前に誰もが持っていた童心を思い出させてくれました。

南さんとの邂逅

世の中には不思議な出来事があるものです。しかしそれをただ不思議で終わらすのではなく、まさしく僥倖・・・それすなわち私たちの世界における一つの魅力とも言えるでしょう。彼女は幸せの意味を探す中で飛びっきりの幸せを見つけました。それは「一瞬の胸の高鳴り」だと私は考えます。彼女の描く親子の何気ない日常が、ちょっぴり羨ましく思いました。何も特別なことなど必要ないのです。ただ日常に散りばめられている小さな幸せ一つ一つを噛みしめることが、大きな幸福感へと繋がるのです。授業参観の発表の場での彼女の笑顔を見てみたかったものです。きっと燦然と煌めく太陽のような、温かい蕩けるような笑顔だったのでしょう。

おばあちゃんの素敵な言葉

「大好きなことに一生懸命になれる人だけが、本当に素敵なものを作れるんだよ」この言葉は多くの人の心に響くのではないでしょうか。まさに「好きこそ物の上手なれ」好きだからこそ最高のパフォーマンスを発揮できるし、どんな努力だって厭わないはず。人のもつ情熱の可能性をこの言葉と絵から感じました。

アバズレさんの幸せ

「幸せとは誰かのことを真剣に考えられる」ことであると彼女は口にしました。見失ってしまった幸せの形。それを思い出せたのは、日常となっていた奈ノ花との毎日があったから。誰かのことを真剣に考えることが、こんなにも心の満たされることなのだと、アバズレさんは私たちに教えてくれました。

アバズレさんと奈ノ花との会話の中に、教育のあるべき姿というのが垣間見えたようにも思えます。奈ノ花が自分の頭で理解できるまで、自身の体験を踏まえて親切に、そして何よりも真剣に言葉を伝えていたアバズレさん。私たちの思っている以上に小さい子というのは、スポンジのように何でも吸収してしまうのでしょう。善意も悪意も同様に・・・。であれば私たちは何故それが良いことなのか、何故それが悪いことなのか、彼女たちが納得するまで説明しなければなりません。結果だけではなく、その過程に意味があるということを伝えなければなりません。

桐生くんの勇気

彼の生い立ちを責めるものは誰もいないでしょう。彼の父親がおかした罪、だからと言って息子である桐生くんが泥棒だと決めつけることは早計もいいところだ。アヒルの子はアヒルの子と言いますが、見た目はそうであっても心や考え方等が同じなわけありません。その人個人として向き合う大切さを学びました。

そんな彼が発表の場で振り絞った勇気には、つい涙を流してしまいました。人と違うことを口にすることは、大変勇気が必要です。それが大勢の学友の前ともなると、その事で嫌なことを言われたり今後からかいの対象になることも。それでもなお、彼は自らの成長のために口にしたのだと、震える唇がその恐怖心を物語っていました。

最後に

本当に優しい物語でした。彼女が繰り返し見た夢、そこには救いを求めていた彼女がいたのかもしれません。また彼女たちの今後の未来も想像したくなるような閉め方でもありました。「幸せとは?」本書のテーマでもあり、私たち人の抱える永遠の命題でもあると言えます。本書をヒントに皆様も今一度考えてみてはいかがでしょうか。




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