【感想】白鳥士郎「のうりん」人間と動物の生命倫理について学ぶ




こんにちは。朝木です。これまた間が空いてしまいましたね。今回は白鳥士郎先生の

「のうりん」

こちらを紹介していきたいと思います。

あらすじ

県立田茂農林高校—通称『のうりん』。そこは、農業に青春をかけた少年少女の集う、人類最後の楽え「牛がにげたぞおおぉぉぉぉ!!」うるさい!あらすじくらい静かに言わせてよ!!あー、おほん。ぼくの名前は畑耕作。ここ『のうりん』に通う、ちょっぴりアイドルオタクな高校生だ。そんなぼくの通う学校に転校してきたのは、憧れの超人気アイドル草壁ゆかたん・・・・・・!?

方言幼馴染、メガネ美少年、ラブリー小動物、巨乳少女!妄想系女教師!パンツ!足フェチ!そして、謎の転校生・・・・・・ここは青春の全てがあるッ!!

奇才・白鳥士郎が送る農業学園ラブコメディー!今、収穫の秋!!

1巻裏表紙より抜粋

感想

本当は全巻読破してから感想を述べたかったのですが、書かなければ…という衝動にかられまして、今こうして書いている所存です。これまた賛否両論、様々な議論が交わされる作品ですね。原作は良かったが、アニメがヒドイ!聖地の失敗例としてよく耳にします。ですが!今回はそのあたりの問題は置いといて、5巻まで読んだ私からすれば、「非常に面白い作品な上、人として知っておくべき常識、否、認識を改めなければならない事柄について述べられていることが多々ある」ということ。(下品な下ネタが多いことに慣れるのに時間がかかりましたが。)言わずもがな本書は『農業』をテーマに扱っている書籍です。我々は日々この農業に対して何を思って生活しているのか。「いただきます、ごちそうさま」の言葉の重みを忘れてしまった人々に是非読んでもらいたい。そんな作品になっております。その中でも5巻を中心とした動物と人間の生命倫理についてふれていきたいと思います。

動物の倫理の問題は、人間の倫理観の問題に過ぎない

まず初めにお話ししたいことが、私たちの家族でもあるペットについて。動物を飼育する観点から述べますと、日本と海外では有様が全く異なるようですね。日本ではペットショップで動物を”モノ”みたいにディスプレイにして販売しますが、これが海外だと違法だとか。特にドイツでは生体販売自体が禁止となっています。そして欧米諸国では必ず飼い主になる方を審査するのだとか。ここまで読むだけでも日本がどれだけ遅れているかわかりますよね。またペットショップで売れ残ったペットはどうなるか。私は保健所に引き取られ、その後里親となる方に引き取られていくと思っていましたが、現実はそれだけではないということ。大量に売れ残った動物たちは保健所もしくはペットショップで殺処分されること。他にも動物実験用のモルモットとして安価で研究所へ売られることも。

次に日本は異常に動物の子供を可愛がるということ。これ自体は不思議なことでもないと思います。ですがその背景は、動物たちにとって酷なものでした。子犬工場にされて腹が膿ただれるまで帝王切開を繰り返される母犬。それでもまだ生ませようとするブリーダー。そのような状況を知った上で寄ってくる買い付け業者にペットショップ。構造的に異常なのだと。

他にも子供のうちから親元から離れるとストレスで異常行動を起こしてしまうとか。親の愛情を知らずに全く異なる生物の基にいくわけですからね。その上躾ができなくて性格の悪いやつだ。なんて勘違いして放棄したりって話をよく聞きますね。「殺処分なんて可哀想。自由に元気に生きて!」とか言って捨てるわけですね。その上去勢してないわけですから野良が繁殖するのは当たり前。挙句の果てに「野良が繁殖しすぎだ。市は何をやってんだという始末。」こうなると保健所での殺処分が一番効率的。最悪が最善と本書にもありました。

そんな保健所での一件。本書にはこうありました。子犬を引き取った人たちが数日経って保健所にやってきて「もう可愛くないから返します。代わりに新しい子犬をください」これが事実だとすれば驚愕を禁じ得ないでしょう。あり得ないですよね、この点に関しては本気で作り話だと思いたい。ならいっそ動物飼育を禁止にしてすべて野生に返せばいいのでは?なんて理想が頭をよぎりますが既にその次元を超えているという事実。例えばブルドッグやチワワはご存知ですよね。自然出産が不可能って知ってました?必ず帝王切開でなければ出産できないという事実を。遺伝子操作でここまで不条理な生体になった実例があるんですよ。

次は飼い主のエゴについて。ペットの躾って結構苦労を強いられますよね。吠えたり噛んだり、トイレの問題など。中でもムダ吠えさせないために声帯を切除するとか。そして満足げにうちの家の犬は吠えなくなったと自慢するそうです。他にもペットを美しく魅せるために耳を切ったり尻尾を切ったり。これだけでも十分過ぎるくらい酷な話なのに。視点を変えてみましょう。”切る”という行為を誰がするのか。もちろんお金を払って獣医さんにやってもらいますよね。これを踏まえて、言っておきます。獣医の自殺率って普通の医者の2倍らしいですよ。言いたいことわかりますよね。

以上私がのうりん5巻を読んで知った事実を書きなぐりましたけど、読んでみてどうでしょうか。やり場のない憤りを感じたり、今更こんな偽善を言っても仕方ないと思う方もいらっしゃると思います。どちらも間違いではないのでしょう。我々は「他の生物の生命を糧にして生きている罪深い存在」なのですから。しかし今一度考えてみてください。ここで止まっていていいのかどうか、動物愛護なんて偽善に過ぎないとあきらめていることを。本書にはこうありました。「大切なのは偽善を偽善で終わらせないために行動すること」我々一人一人がこの事実に目を向け他人事で終わらせるのではなく、まず自分は何ができるかを考え、小さなことからでも行動することが大切なのだと私は思います。もう一度言います。「偽善を偽善で終わらせないこと」これこそが我々が胸に刻むべき言葉ではないでしょうか。

最後に

本書にあったこと、自分自身で調べたことを問題として好き放題書きなぐりましたが、何も日本の動物愛護を非難しているだけではありません。調べたところによるとペットショップで売れ残った子たちのために譲渡会という制度があるようです。ようするに里親探しですね。場合によってはペットショップで購入するよりも、飼育していたブリーダーさんから直接クセなどを聞けるみたいで里親になる方にとっても非常に助けになるそうです。そして何より売れ残った子の生命を救えるということが一番大きいでしょう。

しかし現在のペット産業の内情が腐りきっているのは事実です。この内情を知って、どう行動するか、それはあなた次第です。

5巻はこの他にも、家畜に対する農業従事者の在り方などもテーマとして取り扱っています。これがまた深いことこの上なし。当たり前のことに気づかせてくれるいいきっかけになる。自分が直接関わっていないけれど、間接的にお世話になっている人たちっていますよね。そういった方の気持ちを知るって、とても大切なことなのではないのかと思います。この記事をきっかけに「のうりん」読んでみませんか?(下品な下ネタは慣れます。)当たり前すぎて気が付かない大切なことに気づきますよ!




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