【感想】森見登美彦「ペンギン・ハイウェイ」最高の冒険がここに!世界の真理を目の当たりにした時、きっと誰もが涙する・・・




こんばんは。朝木です。今回は森見登美彦先生の

「ペンギン・ハイウェイ」

読了いたしました。

あらすじ

ぼくはまだ小学生の四年生だが、もう大人に負けないほどいろいろなことを知っている。毎日きちんとノートを取るし、たくさん本を読むからだ。ある日、ぼくが住む郊外の街に、突然ペンギンたちが現れた。このおかしな事件に歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっていることを知ったぼくは、その謎を研究することにした――。少年が目にする世界は、毎日無限に広がっていく。第31回日本SF大賞受賞作。

裏表紙より抜粋

感想

まず初めに・・・。映画化おめでとうございます。絶対観にいきます。過ぎ去った夏を全力で取り戻したいと思います。

森見先生・・・京都じゃない!?異色な物語でまた違った語り口でした。ですが小学4年生のアオヤマ君に森見先生の姿がちらほらと・・・。彼の大人びた言葉遣いや哲学的な考え方、そんな彼を取り巻く環境は非常に愉快で魅力溢れるものばかりでした。そんな彼を中心とした非日常が徐々に肥大化していき、やがて世界を巻き込む壮大な事件に発展するファンタジー作品となっております。

冒険はすぐそばに

冒険とは何も遠方へ出かけて未知を開拓する事のみを指すのではない。自分の住んでいる地域の近辺であったり、知らない道を進むだけでもそれは冒険と呼べるのだ。本書を通して日常に起こる珍事を非常に愛おしく思うようになりました。子供の頃に見ていた世界の広大さと未知への期待。大人になってつい忘れてしまいがちですね。自身の見ている世界で完結していませんか?道が続く限り世界は続く、知ろうとする限り情報は無尽蔵に湧き出てくる。私は自身を世界レベルの情報で測ったとき、その小ささについ吹き出してしまいました。それと同時にもっと多くのものを見たい手に入れたいとも思いました。

素敵な登場人物

アオヤマ君やお姉さんを始めとした魅力的な登場人物たちが非常に素敵でした。アオヤマ君の大人びた性格、それを優しく包み込むお姉さんの包容力、アオヤマ君の父親が少し変わり者な息子に進むべき道へのヒントを与える姿。どれも決して欠くことの出来ない温度感を与えてくれていたと思います。

いじめっ子にいじめられっ子、好きな子に意地悪をしてアピールしてしまうスズキ君。非常に懐かしい思いに浸ることができました。どれだけ物を知っていようと勉強が得意だろうと、恋愛についての感情の理解が全くないアオヤマ君の姿が非常に面白い。スズキ君の面子が丸つぶれで何度も笑ってしまいました。

世界の真理を目の当たりにする瞬間

物語が真相に迫っていくにつれ、グイグイと独特な世界観に引き込まれていきました。研究が一つの答えにたどり着く時、それは何も喜ばしいこととは限らない。受け入れ難い辛い現実を突きつけられることだってあるのだ。そんなアオヤマ君の姿は、世界の真理にたどり着いた最高の冒険家の様にも見えました。

アオヤマ君、君は泣かないと言っていたけれど、私は思いっきり本書を抱きしめて泣いてしまいました。きっと彼もお姉さんももっと大人になって海辺の街へ出かけて夢の続きを描いてくれるのだろうと信じています。

人の夢とは本当に儚いもの。どれだけ長い年月をかけて温め続けようとも叶うときは叶う、叶わないときはとことん叶わないものなのである。しかしその夢に向かって培った努力は決して私たちを裏切らないだろう。叶わない努力など時間の無駄だと唾棄する者もいるかもしれない。だが私はそうは思わない。努力を知った君ならばいくらでも進化することが可能なのだ。アオヤマ君のように日々研究を重ね一日一日を大切にし、昨日の自分より少しでも賢く優しく立派になろうと心がけること。最高に素敵だとは思いませんか?

最後に

本書は日常に起こる珍事、所謂ファンタジーを小学生の目線から読むことができ、読後は爽快感で一杯になりました。夢多き少年は日々の研究とお姉さんへの恋で日常が満たされているのだ。

未知を前にして今の私たちは何を思うのでしょうか。気持ちが昂り興奮する人もいれば、恐怖に飲み込まれそうな人もいるでしょう。そのような時だからこそ子供の頃に抱いていた無謀とも言えるような心を持ち、知りたいと思う欲求を大切にしていかなければなりませんね。甘酸っぱい夏のファンタジーにあなたも溺れてみませんか?




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