【感想】鴨志田一「青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない」三人の友情に憧れてしまう・・・




こんにちは朝木です。鴨志田一先生の

「青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない」

読了いたしました。

「青春ブタ野郎」シリーズの紹介。

2017年6月10日

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あらすじ

夏休み直前、咲太の前に、初恋の牧之原翔子と同じ名前、同じ顔をした女子中学生が現れる。でも本当なら、翔子は女子大生のはず。混乱に陥る咲太に、またも不可思議現象・思春期症候群が忍び寄る。「この世界に私がふたりいるんだ」なぜかふたりに増えてしまった科学部所属のクールな同級生・理央。咲太は家出した片方の理央を自宅にかくまうことになり、まさかのプチ同棲生活が開始する。さらに麻衣先輩まで泊まり込むと言い出したから、咲太の夏休みは大混乱に。「私は私が嫌いなんだよ」そして理央が抱える痛みとは。空と海に囲まれた町で起こる僕らの恋の物語、『青春ブタ野郎』シリーズ第3弾。

表紙より抜粋

感想

大きく分けて二つ感想を述べたいと思います。

理央と思春期症候群

今回はドッペルゲンガーのお話。最初から理央は咲太に頼れば、絶対に助けてくれることがわかっていたようですね。帰ってきたばかりの麻衣のこともあり、迷惑をかけたくなかった。理央は一人で苦しむことを選んだわけですが、咲太がそうさせてくれなかった。咲太は本当に清々しいくらいに真っ直ぐな性格していますよね。友達思いというのは咲太のような人のことを指すのでしょう。

孤独感を感じることで何らかの形で承認欲求を満たしたくなる。その行為の典型的な例が今回は挙げられていました。その行為自体が愚行ということは本人は既に理解しているのです。だからこそ、それに対して一般論をぶつけてはならない。理解者となり根本的な問題を解決する必要があるのです。

多感な時期に他人から向けられる視線がトラウマになることは現実でもありうることなのでしょう。その視線からコンプレックスを抱き、それが原因となり他人と距離を置いてしまう。一番多感な時期に他人への配慮が中途半端にしか成長していない状態で同じ箱に押し込まれるのですから、義務教育の場というのは本当にシビアな世界ですね。人を成長させるはずの場が凶器になってしまうことも。

人は楽しい時間を知ってしまえば、それを終わらせたくないと思うのは当然のことでしょう。そのこともあり理央はどんどん自分の内側へと悩みやストレスといった類のものを溜め込んでいってしまった。家族とは何なのか。なぜ一番辛い時にそばにいないのか。理央の家族の在り方には憤りを隠せませんでした。

そして本書の一番の見所は咲太と理央と国見の三人の関係に胸の高鳴りが止まないところです。どこまでも純粋に互いのことを思い合う関係が理想であり、完成形なのだと。一つ問題があるとすれば、前巻から随所で描かれていた理央の想い。男女という違いだけなのでしょう。理央の切ない片想いに涙が止まりませんでした。

国見の彼女の沙希の苦手意識も少し和らぎました。理央のことを遠回しに心配していてくれたのか、咲太の元へわざわざ足を運んできてくれた部分はギャップというのでしょうか、いつもの沙希との違いに笑みが溢れました。

咲太と牧之原翔子

咲太が一番苦しんでいる時にその状況から救ってくれたのが、咲太の初恋相手の牧之原翔子。かえでのことで本当のことを話せば話すほど周囲からは白い目で見られ、友人たちは咲太の元を去っていく。読んでいるだけなのに、心臓を鷲掴みにされたかのような痛みが走りました。そんな咲太を「頑張ったね」と認めてくれたのが翔子だったのだ。この一言で咲太がどれだけ救われたことか。認めてくれたことがどれだけ咲太の力になったことか。理解者になることが一番人に寄り添う形になるのです。

最後に

本書では咲太と理央と国見の三人の関係が余すことなく描かれています。そこにはこれ以上ない青春の甘酸っぱさがありました。そして恒例の咲太と麻衣さんの会話。本当にこの二人の会話は癖になります。見ていて飽きないわけです。そしてなんと言っても最後の読者を惹きつける次巻予告。次の内容が気になって仕方ありません。是非読んでみてください。




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