【感想】鴨志田一「青春ブタ野郎はシスコンアイドルの夢を見ない」人の努力を笑うようになれば、人間終わりだろう。




こんばんは。朝木です。鴨志田一先生の

「青春ブタ野郎はシスコンアイドルの夢を見ない」

読了いたしました。

「青春ブタ野郎」シリーズの紹介。

2017年6月10日

こちらもどうぞ。

あらすじ

二学期。麻衣との久々の逢瀬に浮かれる咲太を待っていたのは、非情にも「あんた、誰?」という言葉だった。どうやら思春期症候群により、麻衣の中身が誰かと入れ替わってしまったらしい。その相手とは、金髪ギャルメイクの新人アイドル豊浜まどか。彼女は麻衣の異母妹で、母親と喧嘩をして麻衣のマンションに家出してきたという。二人はお互いの振りをして生活を送ることになるが、のどかは麻衣に言いたいことがあるようで?まさか解決しないと、麻衣さんとのいちゃいちゃはまたおあずけ!?フツーな僕らのフシギ系青春ラブコメ、「お姉ちゃんの体をエロい目で見んな!」な第4弾!

表紙より抜粋

感想

今回は麻衣と妹の豊浜のどかの体が入れ替わってるというお話。「私たち、入れ替わってる!?」某映画のようですね。それは置いといて、今回の「思春期症候群」は量子テレポーテーションの一種だとかなんとか。理央さん、本当に難しいです。ここまでお話が進んで、理央が思春期症候群の原因は当人の精神不安定な状態が原因ではないのかと仮定していました。これまでの人物を元に考えてみても、理央の仮定は的を射ていると思います。

のどかの精神不安定の要素。それは母親に出来過ぎる姉と比較されることで生じた劣等感母親に対する不満。それらが原因で思春期症候群を発症させたのでしょう。のどかの立場は非常に辛いものですね。芸能界という同じ土俵で比較されるのですから。しかしこの道に進むきっかけを作ったのは母であれ、のどか自身が努力し進もうと思った道。本当に嫌ならとっくに辞めていたでしょう。
ここで一つ重要になってくるのが、子供は親の道具ではないということ。麻衣とのどかを含む家族関係はとある事情により複雑な関係になっています。そのことから母親たちの代理戦争の駒として扱われていると言っても過言ではない状態です。この部分に関しては憤りを隠せませんね。なぜ子供が親のプライドのために苦しまなければならないのか。本来の家族の在り方というのを失っているようにも感じました。飴と鞭を使い分けることで子供は成長します。しかしのどかの家庭では鞭しか振るわれていないようでした。『なぜ麻衣にできて、のどかにはできないのか。』のどかの母親の言葉にはもはや温かさなんてものは微塵も感じられませんでした。
誰かの代わりなどいないこと。有名人などを見てあの人になりたい、なんて思うことは皆さんも少なからずあるでしょう。しかしそれは表面上だけの話。実際に中身が入れ替わってその人になってみれば痛感するのでしょう。その人を取り巻く空気感や緊張感、それから仕事の場などであれば寄せられる信頼感であったり期待の大きさであったりと。それらがすべてプレッシャーへと繋がり結果的に押しつぶされてしまうのだと。全ての人の人生において代役などいないのです。その人だからこそ築き上げることができたもの、その人だからこそ努力することができたのですから。

誰かに認めてもらうこと。この事が一番、本人の頑張りを受け入れるということになるのでしょう。それが家族でも友達でも恋人でもいい。この行為によって人は、また一歩前に踏み出せるのです。

最後に

今回は主に親子関係について物語が展開されています。もちろん咲太自身のこともですし、まどかも母との蟠りが原因で家を飛び出したわけです。おそらく本書にもあったように「親のことどう思ってるの?」この問いに対してほとんどの人が「別に」と答えるのではないでしょうか。ケンカをするときもあれば、仲良くショッピングすることもある。好きでもなければ嫌いなわけでもない。ほっといてほしいけれど、心配もしてほしい。なんとも表現しにくい感じなんですよ。子目線からする親というのは。
本書の魅力の一つである努力が報われる瞬間。涙が止まりませんでした。アイドル生活の裏側で描かれるドラマに心が打たれました。咲太の「他人の努力を笑うようになったら人間終わりだろ」というセリフにもうんうんと頷いてしまいました。本当にブレない性格してますね。
今回も次巻への惹き込み方に申し分なしです。是非読んでみてください。




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