【感想】鴨志田一「青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない」誰の理解も得れないまま生きること・・・




こんにちは。朝木です。鴨志田一先生の

「青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない」

読了いたしました。

「青春ブタ野郎」シリーズの紹介。

2017年6月10日

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あらすじ

中間試験間近のこの日、咲太は朝から悩んでいた。初恋相手の翔子から、「会いたい」と手紙が届いたのだ。しかもそのことを麻衣さんに話せないでいる咲太。またも二人に忍び寄る波乱の予感!?と思ったら、今度はおうち大好きな妹のかえでから、突然の重大発表が!その内容は「学校に行く」というもの。いじめが原因で家から出られなくなったかえでが掲げた大きな目標。咲太は全面協力を決意し、麻衣さんもまた力を尽くしてくれることに。しかし2年間まともに外に出られなかったかえでにとって、目標到達への道はなかなか険しく。おうち大好き妹が、お兄ちゃんのためにお留守番卒業!な、シリーズ第5弾!

表紙より抜粋

感想

今回は妹であるかえでのお話。ネタバレは避けたいので内容ついてはあまり大きくは明かしません。ですのでテーマに付随した考えを書いたり、抽象的な感想を述べたいと思います。

学校での「いじめ」に関しましては永遠の課題ですね。なぜいじめが起こるのか。学校という一つの箱に押し込まれ、そこで各々が自分らしさを見つけるために他人との間に違いを見つける。それが優劣の差をつけることになり、そこから嫉妬や羨望といった感情が芽生え、他者を攻撃することにつながるのではないでしょうか。しかしこれだけではありません。本当に些細なことから起こることだってあるのです。本書のように友達のメッセージを無視したとかしないとかで。それだけのことでかえでの人生は大きく変わってしまいました。それに加え、かえでのいじめに関して当事者となった子たちも同様に、この事件が学校側で表沙汰となり彼女たちが今度は攻撃の対象となりかえでと同じ状況に陥りました。果たして、ここまでする必要があったのか。「目には目を歯には歯を」という言葉があるくらいです。だからと言ってこれ以上いじめの被害者を増やしてもいいのでしょうか。どこかでこの連鎖を止める必要があり、いじめを絶対悪だと認識させる必要があるのではないでしょうか。そして教育制度の方に問題があるのかもしれない、人の多様性をまだまだ受け止めきれていないと本書ではそのようにも書かれていました。実際その通りなのでしょう。なぜみんなが出来ることが出来ないのか。そしてその出来ないということが悪だと認識されてしまう。全ての個性を受け止められる環境作りが必要になってくるはずです。となると課題は山ほどありそうです。ですがそういった環境がいち早く整うことを心から願っています。

かえでの小さな小さな一歩。そこにはたくさんの人の思いが込められています。もちろんかえで自身の思いも。そんな当たり前な小さな一歩を理解することは難しいできる人の理解は単純になればなるほど離れていく。これが人間にはの心理というものなのだ。

かえでクエスト。この見出しを見たときにこれから乗り越えていかなければならない、高くそびえ立つ壁が容易に想像できました。かえでをはじめ、咲太にも覚悟が必要となってくる。一緒に戦うということは、一緒に傷つくことにも繋がる。本人が本気で変わろうとしているのであれば、待ってあげることが大切になってくるのではないでしょうか。周囲からみれば単純なことでも、当の本人からしてみれば普段味わうことのない緊張を伴い、今にでも逃げ出したい状態なのですから。そして一つの小さな「できた」が自信へと繋がっていくのです。

最後に

かえでと咲太の過去には壮絶なドラマがありました。壊れ行く家庭、離れていく人たち。誰も理解してくれない世界で生きていかなければならないのだと。いじめが引き起こした最悪な出来事、その描写一つ一つに目が離せませんでした。これほど胸を打たれる物語が他にあるのだろうか。終盤にかけてはずっと涙を零していました。語られる内容がとにかく胸に、こころに突き刺さります。悲しみと優しさに包まれて。そして大きな何かを欠落したかのような感覚に陥りました。今まで当然ようにそばにあった大切なものが失われてしまったかのような感覚。とにかく感情を揺さぶられ、物語の世界に引き込まれました。本書を通して、私自身心が成長したような気さえしています。やさしくなるために人生を全うしようと。本書は単なる感動物語ではない。人が成長したり、人生を歩む上で大切にすべき事がたくさん描かれています。私のバイブルと言っても過言ではありません。是非手にとって読んでみてください。




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