【感想】鴨志田一「青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない」誰にだって未来を選ぶ権利はある




こんにちは。朝木です。今回は私の大好きな鴨志田一先生の作品

「青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない」

読了いたしました。

「青春ブタ野郎」シリーズの紹介。

2017.06.10

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あらすじ

初恋の人・翔子の未来を願った12月が過ぎ、いつの間にか咲太も高校二年の三学期を迎えていた。三年生の麻衣と峰ヶ原高校で一緒にいられる学生生活も残り僅かとなった中、長年おうち大好きだった咲太の妹・花楓が誰にも明かしたことのない胸の内を打ち明ける。「お兄ちゃんが行ってる高校に行きたい」それは花楓にとって大きな決意。極めて難しい選択と知りながらも、咲太は優しく花楓の背中を押してあげ―。『かえで』から託された想いを『花楓』が受け取り、未来へ一歩踏み出すシリーズ第8弾!

表紙より抜粋

感想

今作も最高でした。随所に描かれていた過去の出来事。それらがあったからこそ、今の彼らが存在しているのだと改めて実感しました。過去の辛い出来事を思い出す度、何度も目頭が熱くなり涙がこみ上げてきました。しかしそれだけでは終わらせないのが本作品の良さの一つでもあります。未来に対する希望が満ち溢れている。それだけで「ああ・・・本当に読んで良かった。」と思えるのです。

今回は咲太の妹である花楓がメインとなるお話。その背景には様々な形の感動が存在していました。

花楓の兄としての咲太・父の姿

花楓の本当にやりたい事を全力でサポートする彼等。無謀であるとわかっていても可能性が少しでもあるのならば、諦められないのが私たち人類の性というもの。やるだけやってみて結果は結果として受け入れる。その過程で得たものは決して無駄ではないのだと本書は教えてくれました。また花楓に対して言い辛いことであっても、その気持ちに耐え大切なことを伝えるのが彼等の使命でもある。そんな心強い家族の姿に胸を打たれました。

『花楓』と『かえで』二人の言葉

「『かえで』の方が良かったんでしょ。」『花楓』の放ったこの言葉。咲太を超え私の心にまで突き刺さりました。そんなはずないだろうと、比べられるものでもないし二人とも大切に決まっているのだから。辛い現状を打破するためには、周囲のサポートも欠かせない。ですがそれ以上に花楓自身が自身で乗り越えるしかないのです。ひたむきに頑張り過ぎる彼女こそ、誰にも負けない努力する力を持っているのかもしれません。

今の時代という「空気」

空気とは本来は吸うものです。では一体読む空気とは何なのであろうか。それは世間一般が数の上で決めつけた常識のようなもの。その場・その環境に応じてあたかも台本があったかのように、何もかもを強要される雰囲気。それに従わなければ悪となる。この世界は間違っていると、私は世間を相手に対抗してみようと思います。普通とは一体誰が決めたのか、生きていく上での選択で正解があるなど誰が決めたのか。各個人が自分なりに歩んできた人生観で決意することに、何故大して知りもしない赤の他人が口を挟むのであろうか。「間違っていることは間違っている」これを伝えることはもちろん大切なこと。肝心なことは「間違い」「空気」をはき違えないことなのかもしれません。

私自身通信制や定時制の学校には偏見があったかもしれません。しかし本書を通してその実態をはじめ、それが如何に多様であるかを学びました。個性もバラバラで心が未発達な時代に集団生活を強要する。この学習形態は、本来の意味通り大人になるまでに必要な環境なのかもしれません。ですがそれで個性を崩壊させてしまっては、未来における彼等の可能性を閉ざしてしまっているのではないでしょうか。集団に馴染めなければ、みんなが出来ることが出来なければあいつは駄目だ。一体何を指して教育と言っているのか、頭を抱えてしまいますね。その点において個人のペースで周囲との距離を図り、学習し自ら歩み寄る、本書に登場したような学校が、もう少し世間一般に認知されてもいいのではないでしょうか。これから先未来における学習形態の多様化が、様々な個性を持った子供たちの可能性を伸ばしてくれることを願っています。

小さい幸せを幸せと思えることが本当の幸せ

本シリーズには幾度となく登場しているフレーズですね。この言葉が私は大好きです。幸せの形は人それぞれですが、存外幸せというのは身近にあるもの。大小関わらずそれに気づけることが、本当の幸せになるのだと考えるようになりました。友達や恋人と過ごす時間、誰かの手料理を食べている時間、好きなことをしている時間、そのどれをとってもかけがえのないものです。刹那的に感じる幸せのほうが体感的には大きいかもしれません。ですがその幸せを時間が経って思い出すことが出来るでしょうか。きっとすぐにうなずける人は少ないはず。刹那的で儚いものほど魅力的に見えるものですが、それだけではないということを知っておいてください。小さい幸せを幸せと思えることが本当の幸せだということを。

最後に

今回も心温まるエピソードがこれでもかというほど盛り込まれていました。そしていつものようにラストは次回の内容を匂わせる締めくくり。次回作が待ち遠しいです・・・思春期症候群が帰ってくるのかな?後あれです!ポスター当たりました!本当に嬉しいです!自慢です!

ではまたの機会に。




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