【感想】浅田次郎「わが心のジェニファー」~新たな浅田文学に日本の魅力を再発見!?~




こんばんは。朝木です。今回は浅田次郎先生の

「わが心のジェニファー」

読了いたしました。

あらすじ

日本びいきの恋人ジェニファーから、結婚を承諾する条件として日本への一人旅を命じられたアメリカ人青年ラリー。ニューヨーク育ちの彼は、退役海軍少将の祖父に厳しく育てられた。太平洋戦争を闘った祖父の口癖は「日本人は油断のならない奴ら。」日本に着いたとたん、成田空港で温水洗浄便座の洗礼を受ける。京都では神秘の宿に感銘し、日本人女性のふたつの顔を知る……。異国の地で独特の行動様式に戸惑いながら列島を旅するラリー。やがて思いもよらぬ自分の秘密を知ることに……。圧倒的読み応えと感動。浅田文学の新たな到達地点!解説は書評家東えりかさん。

裏表紙より抜粋

感想

日本を外国人の視点から捉えることのできる一冊。ラリーの見た日本や日本人の特徴を正確に表現しており、日本を客観視することで新たな発見や気づきが多々ありました。

ラリーの日本に対するイメージ。それは相反する二つの思いから成り立っていました。父親代わりでもあるラリーの祖父は、戦争の名残から日本を「世界一油断ならぬ国」と言い続けており、最愛の彼女であるジェニーはラリーに対する愛以上に日本を好いている。このような身近な人からのイメージを抱きつつ、ラリーは単身恋のミッションとして日本へ旅立つのだ。

外国から見る日本

私自身日本で生まれ日本で育ってきた。その上で日本という社会環境に染み付いたサービス精神というのは、何の違和感もない当然のことだろうと感じていたが、ラリーの目を通して見る日本は異様に思えて仕方がない。

善意による善意で、不可抗力で生じた結果に対しても責任を負うわけである。正直言って空気に支配されすぎなのだ。その空気から逸脱したものは、社会性のない人間と判断され唾棄される存在となる。日本の息苦しさをラリーの体験を通して強く感じました。

浅田先生の伝えたい事

読書で一番大切であると言っても過言ではない、著者が読者に伝えたかったこと。こちらが本書に限ってはあやふやなまま物語の幕は閉じてしまった。日本の素晴らしさ?恋愛描写?家族愛?心に突き刺さるような大きな感動というのは、私は特に感じませんでした。

最後に

コミカルな内容で笑いにより腹筋が崩壊した・・・とまではいかないがラリーの人間性は愉快なもので面白く読むことが出来た。物語のオチは急展開だったものの、この後ラリーはどうなったのかと、余韻を味わいながら本書を離しました。

本書で真似しようと思ったことが一つあります。それは「何も持たないで旅をする」ということ。要するにアナログな道具を駆使して旅を楽しむこと。文明の利器をかなぐり捨て、相反するガイドブックを二冊持ち、わからないことは現地の人に聞き、恋人への連絡は手紙オンリー。今の時代だからこそ進んでやらなければ絶対にすることのない旅。そんな旅への憧れが私の中で生まれました。「まずはスマホを置いて隣の件にでもフラっと遊びに行こうかな。そうだ、カメラと筆記用具くらいは持っていこう。」冒険とは元よりこのような形を指すのでしょう。




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